【小学生の子ども向け】睡眠が脳と身体と心の栄養になっている

小学生の子どもは、スマホやゲームなどに夢中になりついつい夜更かししてしまいがちです。結果として睡眠時間が犠牲になってしまい、悪影響が出るのではと不安になる親御さんも多いのではないでしょうか。

今回は睡眠の重要性や、睡眠が子どもの発育や成長にどれだけ密接に関係しているのかについてお伝えしていきます。

睡眠の役割

早寝・早起きでしっかりと睡眠を確保することによって、勉強やスポーツなどの面で最大限のパフォーマンスを発揮できるようになります。

なぜでしょうか?

地球の自転によって、地球上には朝・昼・夜があります。1周期は24時間です。地球上に住む生物は、このリズムにより良く対応するために、体内時計というメカニズムを持っています。

人間の体内時計は基本的に1周期が24時間以上に設定されていますが、目覚めて日光を浴びることによって体内時計が早まり、24時間に調整されていきます。

人間は昼行性の動物パターンでプログラミングされており、日中は活動し、夜になったら寝るといった体内時計に合せて、睡眠リズムやホルモンの分泌、体温調節のコントロールがされるようになっているのです。

このリズムを守ることで、人間は心身共にベストコンディションを保つことができます。

記憶と睡眠の関係


睡眠不足になると記憶力が低下してしまいます。

脳の中で記憶の処理などを司っているのが「海馬」という部分です。海馬の体積が小さいと、ストレスやうつ病、高齢者時期のアルツハイマー病などに影響を及ぼします。

脳MRIを撮像して、睡眠時間と脳形態との相関を解析した結果、睡眠時間を十分に確保している子どもは、睡眠時間が短い子どもと比較して、海馬の体積が大きいことがわかりました。睡眠時間と海馬体積には有意な正の相関があるということです。

睡眠時間が減ると、海馬での神経細胞が新しく生成されることや、分化を抑える原因になると考えられています。そのため、睡眠時間の短い子どもたちは、学業成績や記憶力といった面が低くなってしまうのです。

子どもの時期に十分な睡眠が確保できるかどうかは、脳の健やかな発達や、認知力向上といった点でもとても重要なのです。

睡眠と心の関係


睡眠不足によって子どもの心は不安定になります。

睡眠が十分に確保できないと、脳の中の前頭前野という部分の機能が低下します。すると、やる気やイライラなどの感情をコントロールする力や、人の気持ちを理解する力が低下してしまうのです。さらに気分が落ち込みやすくなったりもします。

平成26年に文部科学省が委託した調査結果によると、学校がある日と学校がない日で起きる時間に2時間以上の差があると答えた小学生の18.2%が、なんでもないのにイライラするかという質問に対して「よくある」と答えています。

これは、睡眠時間の差が2時間以上ずれることはないと答えた小学生の約3倍の数になります。小学生全体では、なんでもないのにイライラするかという質問に対して「よくある」と答えた割合は8.7%です。

小学生の子どもにとって、気持ちを落ち着かせて生活していくのに、規則正しい生活習慣やたっぷり睡眠を取ることが大切ということがわかります。

不登校に関する実態調査


睡眠不足は不登校の原因にもなります。

夜ふかしによって睡眠時間を減らしてしまうと、体内時計のリズムが夜型化してしまうと共に、午前中の授業に集中できなかったり、眠くて仕方がなくなるなど、頭も身体も十分に働かない状態になるからです。

さらに夜型化の状態が続くと、なかなか寝付けないことや、夜中に何度も目が覚めることなどが増え、疲れが溜まって学校へ行きたくても行けない身体の状態になってしまうこともあるのです。

平成26年度に発表された文部科学省の不登校に関する実態調査によると、不登校になった理由として小学生時期の「生活習慣の乱れ」と答えた割合が男女共に34%台です。「無気力」と答えた割合は男子で46.9%、女子で42.8%となっています。「勉強面」と答えた割合は男子で26.0%、女子で28.9%です。

不登校を予防するためにも、体内時計を狂わせない規則正しい生活習慣や睡眠時間の確保は大切なのです。

睡眠は小学生の子どもの成長に重要な影響を及ぼす


改めて睡眠の重要性をまとめてみると、

  • 睡眠は、子どもの脳の発育に必要不可欠である。
  • 睡眠は、子どもの身体や心を健全に保つうえで必要不可欠である。

ということが挙げられます。以上のことから、小学生の子どもにとって睡眠はとても重要だということが言えます。

睡眠は小学生の子どもにとって、脳と身体と心の栄養なのです。睡眠時間を削って、ゲームをしたり、インターネットをしたりしていることは、高いリスクを冒していることになるのです。

やりたいことや、やるべきことは小学生の子どもにもたくさんありますので、自己管理できる能力を養っていきつつも、親がしっかり子どもの状態を確認しながら的確なアドバイスをしていく必要があるでしょう。

子どもが健全に成長し、希望する将来に向けてしっかりと歩めるようにしていくためにも、睡眠を大切にしていきましょう。