小学生の子どもが不登校になったら、親としては大きなショックを受けることになるでしょう。しかし、パニックになってはいけません。これから先、立て直しすることは十分に可能だからです。まずは親が冷静になって、どうしていくのが子どもにとって最善なのかを考えていきましょう。
小学生の不登校はどのくらいの数がいるのか
実に3万人近くの子どもたちが不登校で苦しんでいるのです。これは文部科学省が発表した平成27年度の数になります。ちなみに中学生では98,408人と小学生時期の3倍以上にのぼります。高校生は49,563人という結果でした。
不登校になる原因は様々ですが、「不安」や「無気力」という要素が6割を占めています。具体的には、「友人や先生との人間関係」や、「生活リズム」、「学業の不振」などがあげられています。
現状で自分の子どもが不登校になっている場合、または、これからもし自分の子どもが不登校になったとしたら、子どもにはどのような選択肢があるのでしょうか?
不登校の小学生に対する支援は?
学校の先生に相談ができない場合は、心理職専門の「スクールカウンセラー」や「スクールアドバイザー」、福祉士の資格を持つ「スクールソーシャルワーカー」に相談することが可能です。心理カウンセリングや、自立支援などを行います。
現状の学校に通学することが難しい場合は、別の環境で勉強を続けることができます。「教育支援センター」(適応指導教室)や「フリースクール」などです。不登校の子どもに合わせた対応のできるカリキュラムを用意している学校もあります。
フリースクールは民間施設になりますが、学習支援を受けることができるだけでなく、教育相談や体験活動まで幅広く対応が可能です。平成27年度の時点では、全国に474の施設が確認されており、全国の都道府県それぞれに必ずひとつはあります。義務教育の公共機関ではないので、月謝を支払う必要があります。
子どもが家を出て、外部の施設に通うことに難色を示す場合もあり、自宅にいても「ICT」などを通じた学習支援を受けることができ、家庭訪問で今後についての相談も可能です。
不登校の小学生の子どもに対する家庭の理解
小学生の子どもが不登校になった場合、
不登校は問題行動ではないのです。焦って不登校になった子どもを追い込んだり、責任を感じて親である自分を追いつめる必要はありません。まずは、子どもにとっての最善の利益を最優先で考えましょう。
親が不登校になった子どもの気持ちを受け止めることは、子どもの「精神的な安定」に繋がります。子どもは親以上に不安なのです。そして学校に行けないことに強い罪悪感を覚え、自己否定感も強くなっています。親に受け止めてもらえることで、「自己肯定感を維持」することができ、子どもの「意欲は向上」していきます。
子どもの状態への理解を深めるためにも、不登校になった子どもの親が参加する「保護者会」への出席してみることは大切です。「どう子どもに接していけばいいのか」、「今後の進路はどうなっていくのか」などの情報交換をすることができ、互いに励みになります。
小学生の子どもが不登校になったら第三者に相談
小学生の子どもが不登校になった際に、大きな問題になるのが、子どもだけでなく、「家庭もまた孤立する危険性がある」ということです。
孤立すると、子どもの自立を促していくような施設の協力を受けることができないだけでなく、情報と支援が不足していき、子どもも親も追い込まれていきます。
子どもの気持ちを受け止めたとしても、親も同じように塞ぎっぱなしになっているわけにはいきません。支援を受けることで子どもの将来に希望の灯がともるのです。そのために親は積極的に相談窓口で、どうしていくのが一番いい方法なのかを相談していきましょう。そこで多くのアドバイスを受けることができ、親が感じる不安も軽減できます。
世間体を気にして誰にも相談できないケースもありますが、
小学生の子どもが不登校になっても焦らずに対応しましょう
このように不登校になった小学生の子どもを支援する態勢は、どんどん強化されています。子どもが不登校になっても絶望視することなく、焦らず、冷静に対応していきましょう。自立して立派な社会人に育っていくことは十分可能なのです。
しっかりと子どもの気持ちを受け止めてあげて、独りで悩むことをせず、協力機関と連携をとって、一緒に乗り越えていってください。