「漫画なんか読んでないで勉強しなさい」といわなくなっていませんか?最近、漫画すら読まない小学生が増えています。なぜ漫画すら読まないのか、その理由や上手に読書を習慣化させるきっかけづくりのコツを紹介します。
小学生の生活における漫画の実態
学研教育総合研究所の「小学生白書Web版2016年9月調査」によると、小学生が1ヶ月に読む漫画の冊数の平均は1.8冊です。過半数が1ヶ月に1冊も漫画を購入しないと回答しており、漫画を読まない子どもが増えています。
漫画に限らず、本を読む時間も減っており、全学年のうちの約25%は本を読んでいないことが、ベネッセ教育総合研究所の『子どもたちの読書活動の実態に関して(2017年9月12日』で明らかとなっています。特に、高学年ほど読書をしない子どもの割合が多いのが特徴です。小学1年生は約16%ですが、小学6年生になると約27%まで上昇します。
このように、本を読まない子どもが、学年が上がるほど増えているという現状があり、漫画離れも進んでいるのです。
小学生は本を読むのが嫌いなわけではない
学年が上がるほど本を読む時間が減る傾向がありますが、文部科学省が平成29年度に行った『子供の読書活動推進計画に関する調査研究』の報告書によると、
春日井市が平成27年に行った『子どもの読書アンケート調査』でも、本を読むのが好きと答えた小学生が7割以上おり、小学生は漫画も含め、本を読むこと自体を嫌っているわけではないのです。
小学生が漫画すら見なくなった理由
小学生の子どもは本が嫌いで読んでいないのではありません。しかし、漫画すら読まない子どもが増えています。
小学生の放課後の時間の使い方が多様化しており、漫画や読書以外のことに時間を費やしているため、小学生の漫画・読書離れが加速しているのです。小学生は放課後、次のようなことに時間を使っています。
- テレビ
- ゲーム
- 塾、習い事
- SNSでのコミュニケーション
- YouTube視聴
特にテレビは、放課後から就寝までの限られた時間の大半を占めており、全学年の平均視聴時間が約1時間20分となっています。また、多種多様なゲーム、YouTubeなどのネット動画の普及により、漫画や本以外のメディアに時間を費やす小学生が増えていることも要因となっています。
小学生が漫画などの本を読むことで得られるメリット
小学生が漫画や本を読むことのメリットは、多様化する社会に必要な次の4つの力が身につくことです。
- 読解力
- 想像力
- 思考力
- 表現力
ベネッセ教育総合研究所の『子どもたちの読書活動の実態に関して(2017年9月12日』でも、筋道を立てて物事を考えるのが得意と答えた子どもほど読書の時間が長いという結果が出ており、論理的思考が身に付きやすいことが分かっています。
本を読むことで分からないことを調べるという力も身に付くため、問題解決能力を高められることもできます。
学習漫画をきっかけに読書時間を増やそう
メリットが多い読書を習慣化させるには、まず「テレビやYouTubeや漫画よりも本が面白い」と思わせて、本を読むという「きっかけを作る」ことが大切です。それには学習漫画がおすすめです。
学習漫画とは、歴史や偉人、政治だけでなく、時間の使い方や整理整頓などを漫画にしている児童向け書籍のことです。漫画で解説されているため内容が理解しやすく、読み進めやすいという特徴があります。本を読むのが苦手な子どもでも、漫画であれば本に対するハードルが低くなり、興味・関心を持ってもらいやすいため、読書のきっかけにおすすめです。
日ごろから読書をしている小学生は、次のような目的で読書をしています。
- 本の内容を楽しむため
- 知らない情報や知識を得るため
- 気分転換のため
したがって、学習漫画をきっかけに読書習慣を身につけさせたいのであれば、「面白い」「学べる」「気分転換になる」の3つを抑えた本を選んでおすすめするようにしましょう。小学生には、小説などの物語や歴史、自然・動物・植物などのジャンルが人気です。何に興味を持っているのかを事前に確認し、子どもの興味・関心にあったジャンルの学習漫画を選びましょう。”
漫画をうまく利用して生活環境を変えよう
本を読むことでさまざまな力を養うことができますが、小学生のライフスタイルの変化し、本だけでなく漫画すら読まない現状となっています。読書時間を増やすためにも、家庭では、本に触れ合いやすい環境を整え、学習漫画を通して本を読むことの楽しさや面白さを伝えることから始めましょう。