今回はゲームのUXについてのお話です。
UXとは、「ユーザエクスペリエンス」つまり利用者体験のことで、サービスや商品を利用する顧客が、利用の過程で体験すること全てを指します。ゲームを作るときにも、このUXをいかに良くするかで、ユーザが熱中してくれるかが決まります。
特に複雑なゲーム要素を取り入れる場合は、ルール設計が難しくなりがち。
実はスマイルゲームの初案では、ルール説明に1時間以上もかかっていました(涙)
皆さんも、ルールや取扱説明(チュートリアル)が複雑で、使わなかったアプリや業務ソフトなどはありませんか。
直感的に始められるのが理想なのですが、これがなかなか難しいのです。
それを見事に実現させている国民的ゲームがあります。
あの「スーパーマリオブラザーズ」です。
有名な1-1面は、実は「以降の操作を全て説明なしに練習できる」ようになっているんです。
例えば開始直後にすぐ手に入る、「スーパーキノコ」
ブロックを叩くと出てきますが、右に左に動くのでプレイヤーはそれを追いかけなければいけません。

これは、「ゲームを始めたばかりのプレイヤーが、自らの意思でマリオを動かす練習をする」という狙いがあります。
その他にも、こんな場所があります。

左は落ちても大丈夫なように作られており、右は落ちたら死んでしまいます。
これは「左で練習してから右で本番をやってね」ということです。
全く説明はなく、それでいてプレイヤー自らの意思で操作方法を確認することができる、まさに理想的なUXと言えます。(ちなみに現在のスマイルゲームは改善を重ね、10分以内でルールを理解いただけるようになりました)
今や、UXの中にゲーミフィケーションが取り入れられることも多い時代です。
しかし、そのゲーム自体のUXが無視されているとしたら本末転倒です。
ゲームを取り入れるときは、独りよがりな設計になっていないか、利用者の立場になって考えてみてくださいね。
今日もご愛読、ありがとうございました!